研究会からのお知らせ

第13回場の言語・コミュニケーション研究会定例会のお知らせ

2015/02/17

下記のように、第13回 場の言語・コミュニケーション研究会定例会を開催いたします。ふるってご参加ください。

日時 平成27年3月28日(土)午後2時~午後5時半

場所 早稲田大学  8号館808号室

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発表者 小森由里先生

テーマ   「場の理論に基づく他称詞の分析 ―親族の事例より―」

発表要旨

人称詞には、話し手が自分自身を指す自称詞、聞き手を指し示す対称詞、そして話し手と聞き手が話題にする人物を表す他称詞がある。人称詞の研究は、これまで自称詞と対称詞に集中することが多かった。人称詞に関わる人物が、自称詞や対称詞では話し手と聞き手の二者であるが、他称詞の場合、話題の人物を含め三者となる。話し手と聞き手、話し手と話題の人物、聞き手と話題の人物という複雑な人間関係を把握する必要があるため、他称詞の研究に消極的だったのではないかと推察できる。本研究では、実在する親族を対象に参与観察を行い、親族間で他の親族に言及する他称詞のデータを収集した。調査対象となった親族は和歌山県に在住し、血縁関係にある者だけではなく、婚姻によって親族となった非血縁者や義理の親族関係の者などを含み、祖父母世代、親世代、子世代という三世代から構成されている。そのため多様な親族関係のさまざまな世代間でのインターラクションを考察することができる。また参与観察という手法を用いることで、コミュニケーションの場に密着し、自然談話の中で運用されている他称詞のデータを収集できる。そこで本発表では、話し手、聞き手、場の参与者の言語行動に着目しながら、コミュニケーションの場全体から他称詞を捉え、他称詞の運用メカニズムを分析する。

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