研究会からのお知らせ

第18回場の言語・コミュニケーション研究会定例会のお知らせ

2015/11/02

下記のように、第18回 場の言語・コミュニケーション研究会定例会を開催いたします。ふるってご参加ください。

日時 平成27年11月15日(日)午後1:30~午後4:30

場所 早稲田大学 8号館808室

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発表者  多々良直弘先生

テーマ   「スポーツ実況中継における言語行動の日英比較—実況中継により創られるフットボール・ストーリー」

発表要旨

本研究発表は、日本語と英語で放送された同じ試合(場面)のサッカーの実況中継を分析し、両言語において試合やプレーのどの部分が注目され、言語化されているのか、またそれらがどのようなスタイルで伝えられているのか比較検討する。これまで、映像や絵本などを利用して行われたディスコース研究は、発話のない動画を用いて分析したPear Story(Chafe 1980)や文字のない絵本を使用し行われたFrog Story(Slobin(1985, 1996)、井出・櫻井(1997))、アニメのオリジナル日本語版とその英語吹き替え版を比較した井上(2013)の研究などが挙げられる。また、井出・藤井(2014)らが行ったミスター・オー・コーパスの研究では、親疎や上下などの人間関係を取り入れ、あるストーリーを完成させる際に各言語の話者がどのような言語行動をとるのかということを日本語、英語、韓国語、タイ語などを対象に行っている。スポーツの実況中継というジャンルはFerguson(1983)やBeard(1998)らが指摘している通り、独特の言語表現が使用されているが、近年は同じ試合が通訳や翻訳を介さずに様々な言語で放送されているため、英語と日本語の実況中継を対照分析することは、両言語の好まれる言語表現や相互行為の特徴を明らかにするためには非常に良いデータということができる。本発表は同じ試合が日本と英語で放送されたサッカーの実況中継を分析し、両言語の話者がどのような認知資源に注目し、言語化するのか、またどのような社会的要因に注意しながら言語行動を行っているのか分析していく。(以上)

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